引っ越しの経験を重ねた今でも、引っ越し後しばらくは「うつ」のような体調不良に悩まされます。
しかし、経験の中で、こんな事をしたら回復がはやい、ということも分かってきました。
この記事では、転勤の孤独とストレスで「うつ」になりかけた私の体験談と改善方法をシェアしたいと思います。
わたしの経験が、今現在、ストレスからくる体調不良で悩んでいる転勤族の妻のあなたの助けになればいいなと思います。
転勤族の妻の「うつ」ー わたしの場合 ー
転勤の内示が出てから大慌てで引っ越しの準備。
ようやく新居の荷ほどきも終わったころ、観光がてら少し近所を回ってみようとしていた頃でした。
はじめは少しの不調です。頭が重いな、少し疲れたな。寝不足かな。
だんだんと体の不調が増えてきてきました。
- 耳鳴り
- 立ち眩み
- 動機
- めまい
- 食欲不振
- 腹痛
- 気が遠くなる
などなど。
運転中も動機やめまいが出てきて、車に乗れなくなりました。
徒歩での外出も、「途中で気分が悪くなったら…」「気を失ってしまったら…」と考えて、外出自体がおっくうになっていきました。
当初は不調の原因も自覚していませんでした。
「もしかして転勤のストレスかな?」と気づいてからも、少ししたら落ち着くだろうと甘く考えていました。
結果として、どんどん体調は悪化して、食欲不振で体重は5キロ減り、外出中のめまいに怯えてほどんど家の中で過ごしていました。
改善のきっかけは、わたしの場合、新たな仕事を始めたことです。
仕事を始めて生活にメリハリがつき、新しい職場で新しい人間関係ができたことが良かったようです。
他にも自分の心と体に気を付けながら生活することで、「うつ」症状はだんだんと改善していきました。
転勤族の妻が「うつ」になりやすい理由って?
心の疲れと体の疲れ、両方の疲れが溜まることで気分が落ち込んで「うつ」になりやすくなってきます。
精神面の異変だけでなく、体調にも異変が出てきます。
どんなことが転勤族の妻を「うつ」にしてしまうのか、わたしの経験をもとに、原因を3つ挙げてみました。
新しい環境でのストレス
「引っ越しうつ」「引っ越しブルー」という言葉があるように、引っ越しは誰にとってもストレスになります。
今まで築いてきた人間関係がなくなり、見知らぬ土地へ住まいを移すことへの不安は計り知れません。
まず、住む場所が変わることで日々のルーティーンが変わります。
夫の職場の場所が変わるので朝起きる時間が変わります。
毎日の食事に欠かせない食材を買う場所もよく分かってないので、時間ばかりかかってしまいます。
子供の保育園や幼稚園へも慣れない道を運転して送迎しなくてはいけません。
慣れないことばかりの毎日になってしまいます。
さらに、引っ越したことで、安息の地であった自分の家がなくなってしまいます。
旅行から帰ってきて、「ふう。やっぱり家が一番だな~」と思ったことはないですか?
転勤での引っ越し直後は、ずっと旅行に出たままのような居心地の悪さが付きまといます。
引っ越した家が、新たな「安息の地」に変わるまで、心からリラックスできる場所がないのです。
引っ越し作業の疲れ
転勤族の引っ越しは、怒涛のスケジュールです。
転勤の内示は、引っ越しの2週間から1カ月前に言い渡されることが多く、そこから手続きに次ぐ手続きで息つく暇がありません。
家探し、保育園探し、転園手続き、仕事の引継ぎ、諸々の解約手続き、あいさつ回り、住所変更…などなど
これらを引っ越しの荷造りをしながら行います。
転勤の回数を重ねるにあたって効率のよいやり方は覚えますが、疲れないわけではありません。
期限が定められているので「この日までに終わらせなくては…!」という精神的なプレッシャーも相まって、新居につく頃には息も絶え絶えとなっています。
そして、新しい土地に着いてもまだまだやる事はなくなりません。
新しい任地についた夫のフォロー、新しい園での生活を始めた子供のケア、病院を探し、買い物をする場所を探し、免許証の住所変更…
もろもろのやる事を終えて、家の中の段ボールが片付いてきたと思うと頃に、体調が崩れ始めます。
やらなくてはいけないことが落ち着いて緊張の糸が切れることで、どっと疲れが押し寄せてくるのです。
不安を口にしにくい孤独な環境
また、転勤したての見知らぬ土地には、頼れる人が近くにいません。
両親や兄弟、仲のいい友人たちも気軽に会えない距離にいることが多く、転勤先での孤独や不安を相談できる機会があまりありません。
また、転勤したばかりの夫も、新しい仕事環境に慣れるために帰宅が遅くなりがちです。
不安を相談する前に、ゆっくり会話する時間も取れないことが多いのです。
また、家族や友人、夫に「うつ」について相談しても、「転勤族だと分かってて結婚したんでしょ?」言われてしまうこともあります。
このセリフはなかなか攻撃力が高く、「私の辛さは受け入れてもらえないんだ」と感じるだけでなく、
分かって結婚したのに辛く感じる私が弱いんだな
自分のせいなのに弱音を吐くのは良くないな
というように、不安や不満を口にすることが悪いことのような固定概念を植え付けられ、不安を溜め込んでしまう原因になります。
声を大にして言いますが、転勤することが分かっていても、必ずストレスはあります。
環境の変化に不安が募ることは当たり前なので、自分のせいにして溜め込むのはやめましょう。
転勤族の妻の孤独を知らない人が言う「転勤族だと分かってて結婚したんでしょ?」は気にしてはいけません!
このように、転勤族の妻は、気軽に不安や辛さを相談しづらい孤独な環境の中にいるのです。
これをやったら落ち着いた!わたしの「うつ」改善法
そんな、孤独とストレスで「うつ」状態になったわたしも、下記の5つのことに気を付けることでだんだんと症状が改善されました。
- よい睡眠をとる
- 生活リズムを整える
- 仕事・習い事をする
- カフェインを控える
- ストレッチ・筋トレをする
ひとつずつ、説明していきますね。
よい睡眠をとる
睡眠不足は、かなり「うつ」症状に影響しました。
よく眠れなかった翌日は、めまいがひどかったり、不安感が出やすくなります。
そのため、意識して良い睡眠をとれるように気を使いました。
ポイント
- 寝る1時間前からスマホは見ない
- 寝る2~3時間前までに食事を済ませる
- シャワーではなく湯船につかる
- 寝る前に軽いストレッチ
よく聞くような安眠対策ですが、やっておくと「ちゃんと対策をしたし今日は良く眠れるな」と思えますよ。
眠れなくても焦らず、目をつぶって横になっておきましょう。
それだけでも体の疲れはとれます。
生活リズムを整える
朝何時に起きて、夜何時に寝る。だけでなく、食事の時間、仕事の時間、買い物の時間、お風呂の時間なども大まかに決めて生活することで体調も整ってきます。
睡眠の質も上がりますよ。
具体的には、わたしはこんなスケジュールで動いていました。
6:30 起床
7:00 朝食
8:00~9:00 夫の見送り・子供の送迎
9:00~12:00 家事
12:30 昼食
14:00~17:00 引っ越しの片づけや手続き
17:00 子供のお迎え
18:00 夕食
19:00 お風呂
20:00 寝かしつけ
21:00 夫の夕食
23:30 就寝
生活リズムとは良く言ったもので、毎日同じような流れで生活していると、リズムに乗って毎日を過ごせます。
引っ越ししたての時は意識して、毎日を同じリズムで過ごすようにしていました。
また、できるだけ外出する用事を作って、家に閉じこもりがちにならないように気を付けていました。
仕事・習い事をする
何かに所属すること、評価されることで自分の価値を再認識できます。
わたしの場合は、転勤後は、できるだけ早めに仕事を始めるようにしています。
仕事をすることで、生活リズムが整いますし、「家」と「仕事」でメリハリが出てきます。
また、お給料という「評価」ももらえるので、自分を認めてもらえたと感じることができます。
自分の価値を再認識できる点で、仕事はとても効果がありますよ。
また、新しい人間関係が作れるのもメリットですよね。
新しい土地で、新しい自分の居場所を見つけることで孤独感も解消されていきます。
また、これは仕事に限らず、趣味の習い事でもいいと思います。
家以外の自分の居場所を見つけることが大切です。
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カフェインを控える
コーヒーが好きで1日に1~2杯ほど飲んでいます。
しかし、コーヒーを飲んだ後にめまいや動機、不安感など、体調が悪化することが増えました。
そのため、しばらくやめてみると体調の急激な悪化はなくなりました。
カフェインが「うつ」症状のトリガーになってしまっていたようです。
カフェインは元気な時に摂取するのは目が覚めたり、仕事がはかどったりしますよね。
しかし、元気がないときのカフェインの摂取は無理やり気力をブーストしているような形になり、反動で体調が悪化してしまうようでした。
引っ越し後は程度の差はあれ、体調面・精神面が悪化しやすいのでカフェインは意識して取らないようにしています。
今はカフェに行ってもデカフェのコーヒーの種類も多いですし、困ることはあまりありませんよ。
ストレッチ・筋トレをする
ストレッチや簡単な筋トレを朝や寝る前に行うのもオススメです。
ストレッチや筋トレを始めたきっかけは、体形維持や体力維持でしたが、思いのほか精神面にも良い効果がありました。
ストレッチは、特に首回りを伸ばすのがオススメです。
ストレスや不安があると、無意識に歯を食いしばっていたり、肩に力を入れていることが多く、首筋から肩にかけてとても凝り固まってしまいます。
気が付いたときに、首を前後左右にゆっくり傾けて伸ばしてあげるだけでも、無駄な力が抜けてすっきりしますよ。
筋トレも、汗をかくような激しいものでなくていいので、ゆっくりと息を吸って吐きながら体を動かしましょう。
わたしは、以下のような筋トレをしていました。
筋トレ
- バックキック・・・四つん這いになって、足を後ろに蹴り上げる運動(片足ずつ)
- グルートブリッジ・・・仰向けに寝て、おしりを持ち上げる運動
- リバース・プッシュアップ・・・仰向けの体勢で腕立て伏せをする運動
種目は何でもいいと思います。
- 何も考えず、数を数えて体を動かすことに集中できる
- やった後に達成感がある
- 血流が良くなりよく眠れる
という点で「うつ」症状の改善に役立ちました。
転勤族の妻を持つ旦那さんに知っておいて欲しいこと
転勤に付いてきて見知らぬ土地に引っ越してきた奥さんは、実は不安がいっぱいです。
うちの奥さんは大丈夫!明るい性格で「うつ」なんかとは無縁だよ。
転勤もいろんな土地を観光できてラッキーって言ってたしね!
そんな風に思ってないでしょうか?
実際、わたしの夫はそう考えていましたし、わたし自身でさえ転勤がこんなに心と体の負担になることを知りませんでした。
わたしのように、奥さん自身も転勤の不安に気づいてないかもしれません。
しかし、確実に負担は蓄積されていき、どこかのタイミングで不調となって出てきます。
それは、めまいや食欲不振のような体調面かもしれませんし、イライラしたり落ち込んだりするような精神面の不調かもしれません。
旦那さんも新しい職場で大変なことも多いときだと思いますが、どうか、お家でそれを支えている奥さんにも目を向けてください。
不安や不調を相談できるだけでも、肩の荷が下りることがあります。
「今日はなにがあったの?」「最近急に寒くなってきたけど体調大丈夫?」など他愛のない会話を増やすだけで、ずいぶん相談しやすくなります。
奥さんを過信しすぎたり、頼りすぎたりせず、転勤のストレスを2人で乗り越えていく気持ちをもってもらえると、きっと奥さんも喜びますよ!
まとめ:自分の不調に敏感になろう!転勤は負担が多いことを覚悟して対策をとっておくのが大切。
転勤を何度か経験した今でも、程度の差はあれ引っ越し直後は精神面でも体調面でも不調になります。
しかし、不調になりそうだと覚悟しておくと、ひどくならないように生活リズムを整えたりと対策がとれます。
また、引っ越し後は不調になりやすいと自覚しておくことで、自分の体調の変化、心の変化にも敏感になれますよ。
なんだかイライラするな、なんだかぼーっとして集中できないな、など元気な時と違うことがあったら、「うつ」のサインかもしれません。
意識して自分の心と体を大事にしてくださいね!
そして、治療が必要かも、と感じたらプロに頼るのも大切です。
>うつ症状のチェックシートや病院検索ができるサイトもチェックしてみてください。